“異文化との人生初邂逅はNikeコルテッツだった”

【コレクターではないがナイキ党員である】

英国から取寄せたのが今回紹介する”NIKE CORTEZ XLV(45)”
2017年製。
1972年にデビューしたCORTEZ(コルテッツ)の45周年記念モデルだ。

何故かこの手のカラリングに弱い。
理由は、OREGON WAFFLEの「生誕地カラー」でもあるからだ。
加えて、元来、イチョウの黄色にも似たカラーが好みである。
決してブルースリーが映画で履いていたオニツカシューズに感化された訳ではない。
シュータンがボディと同色な点も好み。
シュータンはやはりアッパー素材の色と同色に限る。

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学生時代にトラックアスリートとして過ごした70年代。
当時はオニツカ・タイガー一辺倒で、
全天候トラック用のスパイクをオニツカに特注したりはしたものの、
ナイキの存在を知ったのはその後の話。

自分はナイキコレクターではないけれど、
ノスタルジー満載の復刻ランニングシューズ系には血が騒ぐ。

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【アメカジ歴史の1ページを飾るのがナイキだ】

70年代後半に入ると読売新聞社の「Made in U.S.A」や雑誌POPEYEを皮切りに、
アメカジ文化が怒涛の如く日本に紹介された。
3本ラインのadidasやタイガーラインは足を包み込むサポーター機能があるのだが
練習中にはその衝撃負荷に耐えきれず、ラインが切断するケースも散見された。
一方で、ナイキのSwooshラインはあくまでデザインであり、
靴の構造的には何のサポーター機能もないのだが、
それが逆に新鮮で、
反逆とも言えるデザインのナイキは憧れのブランドとなってゆく。
名作コルテッツは学生時代2~3足は愛用した記憶がある。
オニツカタイガーの「リンバーアップ」と双璧の愛用靴であった。
振り返ればアメカジへのドアを開けてくれたのがナイキ・コルテッツだった。

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2017年限定モデルの存在さえも当初は知らなかったのだが、
このカラリングに出会えたのは幸運としか言いようがない。

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引き出し式のうやうやしい箱を開けると、
70年代当時の広告が印刷されたラッピングペーパーに包まれている。
何とも細かい芸に思わずこちらが照れる。
流石に、これ以上大事に眠らせておくわけにはゆくまい。

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ナイキの創業者フィル・ナイトの当初の夢は、
世の中、誰もが街中でナイキシューズを履く時代が到来することだった。
当時を知る人であれば、そんなことをする人は小中学生や運動部の部員のみであり、
「運動靴」を一般使用することなど常識外。誰も考えもしない時代であった。
フィル・ナイトのそんな「夢」も、1970年代の世間から見れば
正に彼の「夢物語」であり、戯言か虚言にしか過ぎなかったのだ。
それが今はどうだろう。
若者は勿論、全世代の女性や幼児から老人までもがスニーカーを普段履きする時代である。
これは考えてみれば履物の世界における一大革命だと言えるだろう。

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世の中、onだのHOKAだの新規参入のハイテクシューズも人気だが、
今は本チャンのアスリートでもないフツー人の自分としては
余りに「先鋭的で科学的なデザイン」に食指は動かない。
コルテッツは看板機能のナイキエアも非搭載で究極のレトロデザインだが、
必要にして十分な履き心地の良さは昭和時代の象徴でもある。
今でもアトランタ記念モデルを愛用していることは既報の通りだが、
いよいよこの春からこの45周年モデルを市中デビューさせようと画策中。

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(2024/4/15公開)31378     ※ブログ内容は随時、加筆修正しています。

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2023年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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2 Comments

  1. 鈴木隆浩

    お世話になります。tommy さんは本当に多趣味博学ですね。私は、この手の知識は全くなく、
    それでも、とても楽しいブログなので、思わずコメントしてしまいました。
    次のブログも楽しみです。

    1. ゼンマイオヤジ

      フィル・ナイトの夢がまさか全世界で全世代の人間に受け入れられて実現する時代が来ようとは、創業者本人が一番驚いていることでしょう。

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