【花見とはまるでデジタル時計を見ているかのようだ】
マンガやコスプレ文化、秋の紅葉に負けず劣らず日本文化の知名度を国際的にテコ入れしているのが花見だろう。但し、日本人の花見を愛でる姿は押し寄せる外国人観光客が見るそれとは決定的に異なっている。長く厳しい冬と戦い、ようやく作物を育てる季節の到来を告げるのが桜開花の時期であり、山間部では雪解けが始まり野生動物の動きも活発化する。
と、同時に明治時代以降、卒業、入学、就職、と言った日本国内での新陳代謝が大々的に行われる時期とも重なり、感情がこもった人生の大きな節目にもなる季節。
この時期に僅か一週間で満開となり、散り始める桜の花。
そして、桜前線と言われる「線上開花帯」が日本全土を北上し、桜で覆い尽くす。
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我々の生活や経済活動までにも影響を及ぼすのが桜開花であって、更には日本の文化や精神性にまで染み込んでいる。桜開花から散りゆくまでは短い期間だが、そこに至るまでのプロセスと散った後の新緑の葉を眺める季節まで桜との付き合いは続く。だから桜満開は時の刹那をとらえるデジタル時計のようなものであり、その前後の長いプロセスに接している我々にはアナログ時計の中で一瞬、時計が止まる時間。瞬間。
それが桜開花の季節であり、ゆえに心から愛でることが出来るのだ。
偉そうなことを言っているが、歳月を経ると感じることも多くなる。
歳をとるのもまんざらでもないかな。
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【鎮魂の花に他ならないここでの桜たち】
79年前。
この場所には町があり、喧騒があり、戦時中ながらも人々が同様に桜を愛でていたことだろう。一瞬にして焦土と化したこの場所には、その鎮魂の思いが桜の花には込められている。
そんなことを考えて撮る桜には、今までとは違った色を感じてしまう自分がいた。
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(2024/4/11公開)30863 ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。
こんにちは。桜の色合い、とてもよく写った良い写真ばかりです。
地面に落ちた花びらと緑のきれいな写真や人物のスナップもうまいなぁって、さすがです。
コメントありがとうございます。XE2も10年前のカメラですが未だ現役で活躍中です。