聖地巡礼の旅。
南部コッツォルズの旧レイコック修道院。
「ハリーポッターの聖地」とは別に、「写真の聖地」に胸が躍る。
***
イングランドのウィルトシャー郡にあるレイコック村は、コッツウォルズの丘陵地帯南部にあり、中世からの面影が色濃く残る場所として有名だ。
英国人が住みたい場所の筆頭格でもあるらしいが、現在では英国保護団体「ナショナル・トラスト」の管理下にあり、電線も見えない昔からの町並みが厳格に維持・管理されている。
近年では映画ハリーポッターのロケ地として一躍脚光浴びている場所でもあり、ハリポタファンにとっては正に「聖地巡礼」の場所であるのだが、そんなことには微塵の興味もない筆者にとってはもう一つの「聖地」としての意味合いが大きい。
***
1229年に設立されたレイコック修道院は最終的にタルボット家に引き継がれた。
ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(1800-1877)。
彼は数学者、科学者、語源学者、植物学者、そして政治家としても有名だが、写真史に興味がある人であれば誰もが知っている「ネガポジ法」考案の父である。彼は1835 年に、光にさらされると比例して暗くなる硝酸銀を染み込ませた紙を使用して、黒白の反転した陰画を固定して印画紙に陽画を焼き付けるというネガポジ式による最初の写真撮影に成功した。このネガポジ法が「カロタイプ」と呼ばれ、これにより複製も容易となる。これが後に商業化され、改良に改良を重ねて19世紀後半にG.イーストマンがロールフィルムを発明し、KODAK社を創立、現代のフィルム産業に至る歴史となる。
***
そのタルボットの功績を記念した「タルボット博物館」が修道院を改造して造られている。写真好きにとってはレイコック村は正にもう一つの「聖地巡礼」となるのだ。
ロンドンから電車やバスを乗り継いでレイコック村までやってくる旅行者もいるが、今回のような日帰りバスツアーでストーンヘンジやバースを効率的に訪問するか、又は日程的に余裕があればバースを宿泊の拠点として、そこからレンタカーや各種ミニツアーでストーンヘンジやレイコック村、そしてコッツォルズの美観丘陵地帯をのんびりと巡るのも良いだろう。都会とは異なる時間の流れの中で、パブやB&B(ベッド&ブレックファスト)も最大限に活用して楽しみたい場所だ。
夜になれば星空の美しさが絶品であることも付け加えておこう。
(2023/6/9公開)3122
今回も本当に素敵なところのご紹介ですね。
それにtommyさんの博識も本当にすばらしいです。
いろんなことを深く研究したりされてますね。
前回のブログも私はてっきりイタリアかと思ったら、ちゃんと「イギリス」と
書いてあるのに大変失礼いたしました。
今日、また拙い動画を配信いたしましたが、次回あたりは自転車使って、
フォトリングなんて考えてます。
なかなかネタも見出すのが難しいものですね。
自転車のフォトリングって興味津々です。ハーレー動画も拝見したいところです。とは言え、これからの猛暑を考えるとフォトウォークさえもしんどいですネ。安全第一で新ネタをお待ちしています。