“クラシック・ネガで撮る名古屋地方気象台”

【名古屋市千種区の高台にある名古屋地方気象台】

地方気象台は全国50カ所に点在するが、その内東京管区気象台に属する「名古屋地方気象台」を撮影して来た。何といっても白い球体のドームが魅力的だ。筆者が真っ先に連想するのが「富士山レーダー」こと、「富士山測候所(註)」に設置されたあの白いレーダードームである。富士山レーダーは気象衛星に取って代わられたので1999年で運用を終了しているが、地方気象台ではこうした「ミニレーダー」が身近に存在している。まるで今から大空に飛んでゆきそうなラジオゾンデをも連想してしまう。
何ともコンビエントな場所にあり、ロマンを感じるのは筆者のみではあるまい。

(註)現在の「測候所」は技術の高度化によって基本的に無人の測定ポイントとなっている(例外は帯広/北海道と名瀬/鹿児島県の2か所)。一方で「気象台」とは有人の観測所であり気象観測及びその分析と予測を役割としている。
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【そもそも「クラシック・ネガ」って何さ?】

今回のタイトルでも記載した「クラシック・ネガ(ネガティヴ)」ってなんだろう?
写真に詳しくない方の為に解説すると、富士フィルムには独自の色表現機能として「フィルムシュミレーション」があります。
デジタルが登場する昔はフィルムを使っていた訳ですが、フィルムの種類によって色調を変えることが出来ました。今はデジタル時代なので、いとも簡単に画像の色合いを変更できますが、昔はフィルムを交換しないと出来なかった訳です。その個別のフィルムの色合いを再現したのがフィルムシュミレーションです。つまり、簡単に言えば広義ではカラー・イフェクトの一種ですが、その生い立ちが「フィルム時代の色再現」であるので、メーカー側は「単なるカラーイフェクトではない」と主張する訳です。
(→しかし、メーカー側からはカラーイフェクトとフィルムシュミレーションの根本的な違いを未だ解説して頂けません)

つまり、『撮影意図に合わせてフィルムを取り替えるように、発色やコントラストを変化させることができる機能』のことです。本日現在では20種類がありますがその中の一つが「クラシック・ネガ」。
特に緑系と赤色系に独特の味付けしているので好みが分かれますが、ハマれば独自の色彩表現にヤミツキになるでしょう。
クラシックネガの特徴についての富士フィルムの説明は以下の通りです:

image.png

クラシックネガ
スナップシューターに愛用されてきたネガフィルム「SUPERIA」がベース。
メリハリのある諧調と、彩度を抑えつつも明部と暗部の色味を変えることで深みを増した色で、立体的な表現が得られます。

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)
住宅街の高台にひときわ目立つ白い球体にはロマンを感じる。
この急坂は文字通りでキツイのだが、「急坂に関する考察」は別途公開予定。

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【そもそもレーダーって何さ?】

そもそもレーダーで何か御存知だろうか。筆者が連想するのは潜水艦などで使う「ソナー」であるが、簡単に言えばレーダーは「電波」の反射を捉えるもの、「ソナー」は音波の反響を捉える装置である。つまり、レーダーとは『アンテナから電磁波を放射し、反射して返ってくる電磁波を分析することで、の位置と密度、風速風向などを観測している。』(以上はWikipediaから引用)

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名古屋気象台のレーダーはTOSHIBA製であり、ここから発信された電波は雨や雪など粒子に反射されて戻って来る。その時間と電波の強さを測定・分析することで雨雲レーダーの画像を形成する仕組みとなっているそうだ。トリビアであります。

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【参考】名古屋地方観測台の公式HP: 100周年記念特設サイト (jma-net.go.jp)
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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)
東山動植物園の東山タワーも良き眺め。

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)
レーダーのある3階建ての現業庁舎は1961年竣工。観測・予報の業務を担っている。

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)
左側の球体がレーダー、右が風速計台の建つ本庁舎である。

X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)
この本庁舎は大正11年の建造で日本一古い気象台の建物。

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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本山駅周辺も雰囲気ある店が並んでいるのでSNAPを数枚。

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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X-Pro3 + XC15-45mm f3.5-5.6 OIS PZ (Classic Negative)

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(2024/3/21公開)28560    ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2023年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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