“ライカ Sofort2 ~ ❸撮影編”

【Sofort2はプリント自在なトイカメラ】
先にも述べたがSofort2はコンデジでもあり、チェキカメラでもある。
必ずしも撮影した画像をプリントする必要はなく、好きな写真のみを選択してプリントできることが大きな特徴だ。勿論、マイクロSDカードから画像を自由にダウンロードすることもできる。
また、他ブランドのカメラで撮影した画像でも一旦、スマホに移せば、アプリ「Leica Fotos」経由でSofort2へ転送&プリントが出来ることも大きなメリットでもあり醍醐味になるだろう。

【490万画素への期待と実力について】
そこで問題となるのが、肝心の画質となる。
しかし、大前提としてこのカメラはあくまで「トイカメラ」だと割り切ることが肝要だ。チェキの最大の特徴でもあり、❝Sofort❞の単語の意味からも分かるように、「即座に」撮影した画像をプリントできることが最大の売りであって、画質は二の次、三の次であることをまずは理解しないといけない。つまり、フツーのコンデジカメラの画質とも異なるし、正直、可也劣るのである。スマホの画質とは比較にならないほどだ。そこを「100種類のレンズ&フィルムエフェクト」で美味くオブラートに包んでいる、と言えば厳しすぎる表現になってしまうが、その程度に理解さえすれば画質に失望することもないだろう。「プリントの瞬時性を重んじたトイカメラ」というのがSofort2の素性であることをまず最初に理解すべきだ。

搭載するCOMSセンサーは1/5インチ。ここまで小さなセンサーを搭載する機種は巷では簡単に見つからない。静止画の解像度が490万画素でファイルサイズが約1.2MBとは言え、実際の撮影画像では大きく割り引いて考えるべき、というのが率直な感想だ。

以下のサンプル画像を見てみよう。

光と影を撮影。黒潰れした部分にはデータが殆ど残らない。ダイナミックレンジは可也狭い印象だ。

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近接撮影は10cmまで可能。ミラーエフェクトで撮影したものだが発色も解像度も満足。

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プリントを考えるとSofort2では縦構図が似合うと感じる。

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光漏れエフェクトで撮影。

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色ズレxビビッドのエフェクト。

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二重露光エフェクト。

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モノクロx色ズレで撮影。モノクロでも色ズレが出来る点が面白い。

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ぼかしxレッド。予想外に撮影が楽しい。

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ビネット(周辺減光)xビビッド。

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ぼかしxビビッド。

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ビネットxビビッド。

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魚眼xブルーエフェクトで撮影。魚眼は必ずこのような円形となる。

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【夜間撮影について】
上述したこのカメラの特性を理解した上で、日中の撮影については「こんなものだろう」という感じで特に不満はない。ややコントラスト強めとなるが、露出設定で多少の調整は可能。但し、撮影後のカメラ内画像処理に2~3秒かかるので、現場では可也フラストレーションを感じる。パチリ、パチリと続けざまに撮ることが出来ないのだから。

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次に夜間撮影を行ったが、レンズが35mm換算で28mm相当のF2.0とは言え、ISO100~1600の自動設定となることと、小さなセンサーサイズなので決して暗所に強いとは言えない。加えて、ノイズの出方は「可也派手」だと言っておく。
手振れ補正もなければISO高感度も1600止まりだ。簡易ストロボも付いてはいるが、射光範囲は0.5~1.5m内に限られる。要は限られた「材料(スペック)」を駆使して撮影することを楽しみと捉えられればしめたもの。
この条件は正に昔のフィルム撮影に似ている。

あとは撮影者の工夫と腕の見せ所だろう。

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日没直後の時間帯で光漏れエフェクトで撮影。
ライトアップされた紅葉を撮影。ISO800、SS1/15秒、F2.0
ライトアップされた紅葉をノーマルxビビッドで撮影。@東山動植物園。
@星が丘テラス。
ISO500、SS 1/30秒、f2.0
ISO1250、SS1/30秒、f2.0
夜間撮影ではノイズが可也目立つことは覚悟した方が良いだろう。
「アレ・ブレ・ボケ」の世界へようこそ!

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【撮影した雑感】
チェキの即時プリントの愉しさ、多様なエフェクトによる画像効果を考えれば、やはりInstax mini formatでプリントして臨場感をその場で楽しむのがSOFORT2の本来の使い方だと感じる。
恐らく、その内にこのカメラで撮影したデータを拡大プリントして展示会を開催する御仁も出てくるだろうが、同じ展示会をするのであればmini formatで印刷した小さなプリントで鑑賞するのが「王道」ではなかろうか。勿論、A3ノビで印刷することも出来るだろうが、SOFORT2で撮影した写真はやはりミニプリントの「ミクロの世界」で見てみたい。

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【SOFORT2の取扱説明書について】
最後に。
SOFORT2に付属される多言語式の取扱説明書は非常にそっけない内容なので、別バージョンのpdf取説をダウンロードしてジックリと参考にすることをお勧めする。イラストや写真もたっぷりあり、微に入り細に入り懇切丁寧な説明書となっているので非常に分かり易い。別に取説を読まなくとも撮影は出来るのだが、独特の「クセ」があるカメラであるが故に、取説を一読すれば間違いなくSOFORT2をより深く、迅速に=SOFORT(=immediately)、楽しめることは間違いないだろう。

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尚、撮影後にチェキフィルムを振っている人が多いのだが、それは全くの無意味。振っても早く現像する訳では無い。逆に、振ることで中の現像液が偏ってしまい、色ムラができるなど綺麗な写真に仕上がらないことがあるので要注意である。

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ライカは
もっと
美味しい。

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(2023/11/20公開)13940   ※ブログ内容は適宜、加筆・修正しています。

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2023年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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2 Comments

  1. 鈴木隆浩

    お写真を拝見し、わたし的には、ライカの色味をすごく感じました。
    その上、画に「味」も感じられ、こんなふうな写真にするのは、ゾフォートじゃないと
    撮れないのでは、と思います。すごく良い雰囲気の画です。
    これはよいカメラだなと本当に思います。

    1. ゼンマイオヤジ

      弁当箱のような「カメラ缶」ですが新型はデザインも洗練されたので所有欲も満たされます。
      MやQより二桁安い最安のライカカメラとしても貴重な存在です。

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