“SNAP David Hockney展@東京都現代美術館”

【念願のデイヴィッド・ホックニーと日本で再会】

ロンドンのロイヤルアカデミー以来、7年ぶりの再会である。
今回は正に圧巻。そして驚きと感動の連続であった。
11月5日まで開催中のデイヴィッド・ホックニー展。
新作、大作、過去の作品等、合計120点以上の大展示会だ。
どれもが何度でも観直したい衝動に駆られる。

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『春の到来』は巨大だ。幅10m、高さ3.6mの油彩画はポップアートそのもの。
『ウォーター近郊の大きな木々またはポスト写真時代の戸外制作』はキャンバス50枚に分割して1枚に完成されている。イギリス郊外のよくある自然風景だが、郊外であるが故にホックニーも雑音に悩まされずに制作に集中出来たことだろう。
そして、コロナロックダウン中にiPadで描いた新作、全長90mの『絵巻物』には度肝を抜かれた。題名は、『ノルマンディーの12か月』(A Year in Normandie)。
印刷に使われたプリンターの詳細は分からないが、恐らく業務用の大型機器にも興味が湧く。最先端のデジタル技術を駆使するところが80歳を超えても衰えないチャレンジ精神旺盛なホックニーの神髄だろう。
更には12点あるipad作品の一部はは、その制作過程をスクリーンで確認できる。
ホックニーはこうやって色を消したり重ねるのか、と、映像で追えるデジタル展示手法には多くの人が釘付けとなり見入っていた。

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好みのアート作品を鑑賞すると自分の中にもムラムラとアドレナリンが湧いてくる。
この感動と刺激をどのように消化して自分の創作活動に反映させようか。
そんなことを想像するだけでも楽しさは倍加してゆく。

ホックニーファンのみならず初めての方にも、
そして感性豊かな多くの若者にもお勧めしたい。
芸術作品はナマの実物を鑑賞するに限る。

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『春の到来』は巨大だ。幅10m、高さ3.6mの油彩画は32枚組。
ホックニーの世界にどっぷりと浸かれる。
以下は全て『ノルマンディーの12か月』。
春夏秋冬の移り変わりがiPadで作成、紙に印刷されてピンナップ連結されている。
デジタル絵画の場合、どうしても筆のタッチを出しにくいことと、単色の集合体による色表現なので
絵具と同等のグラデーション描写が難しい点はあるが、それが逆にデジタルらしさでもあり、
離れて見ると違和感なく鑑賞出来るのは発見であった。
全長90mもあるのでU字型で続くのだが、豪華絢爛な絵巻物のようである。
途轍もないホックニーの熱量を感じる。

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“SNAP David Hockney展@東京都現代美術館”
2023年11月5日まで開催中。

(2023/10/16公開)10118

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2023年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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2 Comments

  1. 鈴木隆浩

    tommy、こんばんは。
    銀座にお越しだったので、多分、、、とは思っていましたが、やはりホックニーにもいらっしやったんですね。
    銀座のスナップは、思った以上に接近撮影だったのでびっくりしてました。ノールックがほとんどかなと思いますが、私はあそこまで人に寄れません。tommyさん、さすがです。
    そして、ホックニーもほんとうに素敵な心に刺激を与えられる画に感動させてもらいました。
    2ブログに対して一つのコメントにまとめてしまいましたが、またのブログを楽しみにしています。

    1. ゼンマイオヤジ

      ブログの写真を見て、もう(実物を観なくても)いいや、と思われるのが一番本意ではありません。若しご興味が湧いたら是非とも会場に足を運んで頂きたいと思います。
      会期も残すところあと1ヶ月を切りました。今回は27年ぶりに国内での個展開催ですが、このような規模と充実した内容は国内ではもう二度とないかも知れません。
      ホックニーを知らない多くの人々にも興味を持っていただける機会となれば幸いです。

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