毎年の厳しい高温多湿で、外出さえも憚られる日本の夏であるが、
例年、この時期はTシャツとアロハシャツで過ごすことが多い。
たかがTシャツ、されどTシャツである。
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デザイン面で納得できないものは着たくない。
さりとて若者に人気の白色や黒系の味気ないモノトーン一辺倒では無味乾燥過ぎて「創造性」を感じない。更に言えば、IVYリーグやらの大学名の入ったロゴマーク入りや、どうにも子供っぽいキャッチフレーズが入った土産店で良く見るTシャツは見るに堪えない。こういう類のTシャツが視界に入ると、これはもう満員電車でヌード写真が掲載されたスポーツ新聞を公然と広げている状況と同じような「半径5m以内の環境破壊行為」に相当するさえと感じている。
また、ある知人の外国人より、『どうして日本人にはUCLAやHARVARDの卒業生やNYヤンキースのCapを被るファンがこんなにも多いのだろう』と真剣に不思議がるコメントがあったのだが、自分の母校は棚に上げて海外ブランドや大学名ロゴを無意識かつ盲目的に愛でる姿は甚だ滑稽でもある。そんな海外の大学名もケンブリッジとかソルボンヌ等の欧州系は皆無であり、殆どがUCLAを筆頭としたUC系、東部アイビーリーグといったアメリカの大学に偏重している点が、イコール、アメカジ文化に基づく影響力の賜物ということは理解していても、だ。
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閑話休題。
写真撮影をしていると稀にお気に入りの一枚が撮れることがある。
そうした写真をTシャツにプリントして独り密かに悦に入るのは、正にこれこそが「秘め事」に他ならない。しかし、そんな自作Tシャツを着て外を歩けば不特定多数の目に触れる訳で、それこそ「視覚的暴力行為」とならぬように細心の注意を払っている積りではある。一応。
かと言って個展を開きたいなどと言う大それた欲望も無ければ、そんな金銭消費意欲さえも持ち合わせていない。写真好き=個展開催を目指す、と言った短絡的プロセスも筆者にはそぐわない。しかし、Tシャツに自分が撮影した写真をプリントして街中を闊歩する行為は、考えようによっては「移動式個展」を開催しているようなものだ。それも「厳選一枚の写真」のみであり、「展示場所」も街中や電車内も含めて神出鬼没・勝手気まま。自分が自身の「広告塔」と言う極めて効率的かつ潔い「展示方法」ではなかろうか、とさえ思っている。
そんな「秘め事」と「妄想」を抱きつつ、今夏も新作の「移動式・写真一枚展示会」を亜熱帯性気候が続く9月末まで「開催中」である。
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時計と写真の愉しみ方。色々あります。
(2023/9/01公開) 5922
お気に入りの写真をTシャツって、私は考えたこともありませんでした。
どこでそういうのをやってくれるのか、今度探してみます。
すごく良いなって思いましたし、今回のブログの中のオメガのTシャツ、
欲しいなって思うくらいカッコいいです。
富士フィルムのフォトグッズでもやっています。ご興味あればググってみて下さい。