【朝のマイアミビーチは静かで美しい】

南フロリダの定番スポット、マイアミビーチ。
朝の静かな時間帯にビーチ沿いをのんびり散歩しながらフォトウォークしてみた。

朝7時過ぎのビーチはまだ観光客もまばらで、とても穏やかな雰囲気だ。
ヤシの木が風に揺れ、海からの風が心地よい。
地元の人がランニングやストレッチをしている姿が印象的だった。

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GFX100RFの発売以来、アスペクト比についての楽しさを再認識した気がする。

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朝の陽が海から昇り、まだ人の少ない砂浜を男たちが黙って走っていた。
マイアミの一日は、砂の足音と共に静かに始まる。

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ゆるい朝を迎えた観光客が近くのホテルからこうして集まってくる。
午前中はこうしてウォーミングアップの時間とするのが彼らの流儀だ。

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白い砂、静かな海、そして空。誰かが寝そべり、誰かが立ち上がる。
小型セスナは広告バナーを運び、午後は何も起こらないふりをして続いていく。

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【フォトジェニックなライフガードタワー】

マイアミビーチといえば、色とりどりのライフガードタワーを連想する。
ピンク、ミントグリーン、オレンジなど、それぞれデザインが異なり、
見ていてとても楽しい気分になる。

どこを撮っても「映えスポット」の宝庫だが、何も考えずに潮の香を楽しむ。
とは言え、やはり写真だ。
ビーチを歩きながら、タワーごとに写真を撮りたくなる。

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1934年築のこの建物には、どこか戦後のアメリカ映画に出てきそうな気配がある。
風は旗をはためかせ、海の匂いが階段に降りてきていた。

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【人気のアール・デコ地区を歩く】

ビーチ沿いの「オーシャン・ドライブ」には、アール・デコ建築と呼ばれる建物がずらりと並んでいる。

淡いブルーやピンク、ミントグリーンといったパステルカラーに、直線的でレトロなデザイン。1930〜40年代のアメリカの雰囲気がそのまま残っているようで、まるで映画のセットの中に入り込んだような気分になる。

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日付と気温と潮の流れ。すべてはこの街のリズムの一部だ。
午後の光に照らされながら、人々は南へ歩き続けていた。

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クラシックカーと言い、この配色と言い、まるでキューバの街並みのワンシーンを観ているようだ。
タイムトリップしたような錯覚さえ覚える。

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大人気のBREAKWATER SOUTH BEACH HOTEL
まさに典型的なアルー・デコ建築だろう。

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有名な「Colony Hotel」や「Beacon Hotel」などもこの通り沿いにあり、建築好きならずとも刺激的でたまらない散策になるだろう。

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【 朝カフェでひと休み☕】

少し歩いたところで、通り沿いのカフェに立ち寄る。
海を感じながらオープンテラスでコーヒーを飲むだけで、最高のリラックスタイムとなる。
観光地でありながら、朝のこの時間帯はゆったりしていて、一日の旅のスタートにぴったりだ。

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【マイアミ・ビルトモア・ホテルは1986年に「国定歴史建造物」に指定されている】

マイアミの朝は光が違う。
湿り気を含んだ空気が、ヤシの葉の影をやわらかく揺らしている。
その中を、ぼくはビルトモア・ホテルへ向かった。
大恐慌前の1920年代、マイアミの不動産ブームの時代に建てられた豪華絢爛なホテルだ。

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26階建ての塔は、スペインのセビリア大聖堂のヒラルダ鐘楼のレプリカだ。
1926年1月のグランドオープンでは、ニューヨークから1000人のVIPを乗せた2つの豪華列車が運行されたという。
どこかキューバの古い映画のような風情を漂わせている。
コーラル・ゲーブルズの街並みに溶け込みながらも、明らかに異質で、印象的だった。

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鏡のようなガラスに「The Biltmore Hotel」の文字が浮かび、
通りを歩く人々とともに1920年代がぼくに語りかけてくる。

南フロリダの空の下、ビルトモアの塔が静かに見下ろす。
世界最大級のプールが、その静寂を映していた。

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ロビーは広く、高い天井には風が静かに流れていた。大理石の床を歩くと、靴音が過去に響くような気がした。スーツ姿の男が新聞を読み、白いワンピースの女性がミントティーを頼んでいた。ぼくは誰とも言葉を交わさず、ただその時間を味わった。

プールサイドに出ると、かつてヘミングウェイもこの水を見ただろうと思った。
陽射しの下で、ぼくは冷たいクラブソーダを一口飲んだ。
静かな午後だった。マイアミのビルトモアは、今もなお時間を少し遅らせている。

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水のきらめきを間近に感じながら、ゆったりとした時間がテーブルを満たしていた。
誰もが今日という午後に満足していた。

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石の女神と南国の陽。列柱の回廊を歩くと、いつのまにか現実から半歩だけ遠ざかっていた。

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映画スター、アメリカの大統領、南米諸国の国家元首、そしてあらゆる種類の海外からの訪問者が開業当初からここに滞在している。マレーネ・ディートリッヒ、ジュディ・ガーランド、そして彼女たちのハリウッドの友人たちも皆、同様だ。
あのアル・カポネもここで楽しんだというからアメリカの歴史が詰まった特別な場所だ。
そんな時代にタイムスリップするかのような数々の写真たちにも魅了された。

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【ホテルへの帰り道にヴェネチアン・プールにも立ち寄ってみた】

1924年に完成した「ヴェネチアン・プール」は歴史的な公共スイミングプールだ。
ビルトモア・ホテルと同じくコーラル・ゲーブルズにある。
ここも「国定歴史建造物」に指定されている。
改修に改修を重ねてきたが、毎日大量の淡水を使用する為、今では環境にも配慮して濾過後に地下水に戻しているそうだ。

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ヴェネチアン・プールには、水の音よりも静かな時間が流れていた。
石造りのアーチをくぐる風が、どこか地中海の夏を思い出させる。
泳ぐ人より、ただ水を見ている人のほうが多かった。
午後の光が水面に跳ね返り、ぼくはそれをしばらく眺めていた。

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鉄の門の向こうに、水の気配があった。
歴史の記録に刻まれた名は、静かに風と木の葉に守られていた。

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スペイン風の石造りに囲まれて、ミント色の水がたっぷりと横たわっている。
ライフガードの視線の先には、平和な午後が広がっていた。

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【色と光の街、マイアミビーチ】

マイアミビーチは、ただの海辺ではなく、
デザイン・建築・自然・ライフスタイルが絶妙に溶け合う街。
朝の散歩ひとつとっても、そこには「絵になる瞬間」がたくさんあった。
マイアミでは早起きして、静かなビーチとカラフルな街並みをゆっくり味わうことから始めることで、リラックスな一日を過ごせるような気がした。

今回はキーウェストまでドライブする時間はなかったが、出来れば一週間ほどのロングステイでのんびりとスローな時間を楽しむ大人の時間がマイアミビーチには向いている。
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当てもない市内散策やらフォトウォークを切り上げてホテルに入り、全身にまとわりついた汗、埃、脂などをシャワーで洗い流し、ついでに思うように撮れなかった未熟な撮影結果への悔しさや反省なども洗い流し、部屋のベランダからマイアミ市内の真上に登った満月らしき月光を浴びながら冷えたCoorsのビールを飲むこの一瞬だけは、生きていてよかったと実感した。

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人の記憶は必ず薄れる。
薄れる記憶は写真が救う。
カメラは記憶のタイムマシン。

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(2025/8/3公開)116700       ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2024年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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1 Comment

  1. 鈴木隆浩

    すてきな場所の素敵な写真、行ったことないですが行ってきた気分になります。
    ありがとうございます。

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