【ストラップ選択は自分のライフスタイルと連動する】
時計用のストラップはレザー系、ラバー系、NATO系等の『非金属系』とSSやチタン、貴金属製等の『金属系』に大別できる。近年増えつつあるセラミック製は非金属であるものの、そのデザイン構造は『駒』を有するので便宜上、金属系に類するものと解釈している。
両者の優劣を議論することは無意味であり、両者それぞれに長所も短所もある訳で、どちらを選ぶかは各自のスタイル次第だ。

【工業製品には何時の日にか寿命が来ることを覚悟する】
自分の場合、両者ともに愛用しているが、『嗜好の比重』で捉えれば圧倒的に金属系が多い。
その理由は省略するが、KINETIC ARCTURA DIVER’S用のベルトは正にHIBRID。
ラバーと金属の組み合わせであるが、本質はラバー系であるので自ずと『寿命』がある。
従来は5~6年毎に土台となっているゴムベルト部分を交換していた。
世に言われる『加水分解』と『経年劣化』対策であり、いずれか一方は避けようがない宿命だ。寿命が来る前に時計の二次電池交換と共にゴムベルト部分もOVH時に交換してきた。

しかし、残念ながらこのARCTURAは約25年前の時計であり、SEIKOにおいては代替部品の生産を中止してしまい、部品在庫も既に存在しないとの説明を受けた。基本的に腕時計は工業製品であるが故に、JIS規格に則った部品管理がメーカーとしての最低義務基準となっている。その基準さえ果たしていれば、その後の部品交換を断ることが法的に許されているので、KINETICのような『腕力による自動発電装置』という独創のハイテク製品を未来永劫に保守管理することにはメーカーとして現実的には困難が伴うことをユーザーは知らない。

つまり、ここで言いたいのは『一生モノの腕時計』とかよく言われるが、一生モノであり続けるにはOVH/オーバーホール(分解掃除)や部品交換が避けては通れない道であり、それをメーカーが未来永劫に亘って保証するということは現実的には稀有であることを知っておくべきである。

SEIKO ARCTURA KINETIC DIVER CAL.5M42-0E60
このオリジナルブレスレットは絶妙なデザイン構造と装着感を誇る。
デザイナーは80~90年代にブレイクしたドイツ人のヨルグ・イゼック(Jorg Hysek)。
2001年にドバイのショッピングセンターCITI-CENTREで購入。20気圧防水ダイバーズ時計。

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【ソーラー充電式でも内蔵電池の劣化は進む】
例えば電池交換不要と言われるソーラー発電式の腕時計でも、発電した電力を蓄える二次電池を内蔵している訳で、その性能は年単位で落ちて行くことを知る人は少ない。最終的には定期的に二次電池の交換が必要になるのだが、それとて部品供給が断たれれば『一生モノ』とは言い難い。

雲上時計で有名なスイスの超高級時計パテック・フィリップは部品が無ければ一から作り出すことでも有名だが、その代償たる費用と時間がどのくらいかかるかを考えると、仮に孫子の代まで継承されたとしても、下手をすれば『負の遺産』になってしまうことを十分に理解する必要がある。

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閑話休題。

今回のARCTURAのベルト交換に際しては以下の3つの選択がある:
1)このまま加水分解(=ベルト断裂)を起こすまで使用を続ける
2)代替ベルトとしてダイバーズ用のラバーベルトを装着する
3)代替ベルトとして金属製ブレスレットを装着する

SEIKOもヨルグ・イゼックも”ARC”が好きである。
ARCとはラテン語のARCUSが語源で、ARC(ARCH)、弧とか弓なりの意味。
アーチェリーも同様に派生語である。

最終的には3)のフルメタルブレスが一番と判断し、気に入った5連ブレスを装着した。角ばった駒の造形と言い、そのデザインはまとまりがある。欲を言えば20mmストレート幅をクラスプ側で2mm絞り込んで欲しかったのだが、既製品で安価な価格を考えれば已むを得まい。

持論だが、レザーベルト同様にブレスレットも幅を絞り込むことで装着感が倍増する。
ROLEXは流石にこの点を理解しているが、他ブランドでは殆どがストレート幅を採用している。特に20mm以上のストレート幅は装着性を害する傾向が強い。
また、フルメタル製ブレスを装着すると重量が増してしまうのが難点。
このARCTURAもオリジナルより30gも太ってしまったのが残念。
163gという総重量はスマホ1個を手首に括り付けるのと同義であり、常時装着する勇気と気力を萎えさせてしまう。自分の場合の理想的な時計重量は130gまで、というのが経験上の結論である。

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それでも自分は『ブレス党員』であるので、装着せずに見て愉しむ工芸品としても、
この『フルメタルジャケット』は重量面を除けば中々であると悦に入っている。

5連のブレスレットに換装しても全体的なデザインバランスは上手く保てている。
久々に桜満開の中を泳がせてみた。
25年前の時計ながら、未だ活躍中のARCTURA DIVERであります。

(2023/3/27公開)1405

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2024年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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2 Comments

  1. 鈴木隆浩

    桜と腕時計との写真、すっごく良いですね。
    時計ベルトについては、私もNATOをはじめ、いろいろと変更してきました。
    修理とかオーバーホールもやってきましたし、ある意味維持費がかかるんですよね。
    今回のセイコーのダイバーもすごくかっこいいです。
    tommyさんだからこそ、どの時計も素敵に感じます。

    1. ゼンマイオヤジ

      桜の写真は毎年同じになるので、こうして時計と一緒に撮ると記憶にも残ります。腕時計の維持・管理は結構真剣に悩ましい問題だと思います。個人的には我が身を棚に上げて『5本限度説』を唱えたいところですが、世の中、何事も上手くは行きませんね(笑

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