【エルサム宮殿は英国最高傑作のアールデコ様式の邸宅だ】
Eltham Palaceこと「エルサム宮殿」は11世紀に遡る時代から長い歴史がある。
元々は司教の「マナー・ハウス」(註)と宮殿であったが、1311年に王室の所有となり、その後300年間に亘って王宮として利用された。
(註)マナー・ハウス( manor house) とは、中世ヨーロッパにおける荘園(マナー)において、地主たる荘園領主が建設した邸宅。「マナー」の語源は「マンション(mansion)」と同一であり、どちらも領主などが「滞在する」という意味のラテン語 manēre から派生した言葉である。(以上、Wikipediaより引用)
あのヘンリー8世を含むイングランド王や女王が住んできた邸宅であり、周辺の公園で狩りを楽しんでいたと言われている。
その後、17世紀のイングランド内戦による荒廃、18世紀の農場時代や個人邸宅時代を経て、1933年に上流階級の大富豪のスティーブン&バージニア・コートールド夫妻(Stephen and Virginia Courtauld )への貸与を契機に邸宅の建築と増築が行われ、豪華で退廃的なアールデコ様式のモダンな邸宅に生まれ変わったのだ。
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それまで干し草で一杯にされた納屋として使われていた大広間(Great Hall)は、見事なまでに中世の大広間に復元されることになる。そして19エーカー(0.07㎢)ある庭園はコートールド夫妻が世界旅行をした際にインスピレーションを得て設計されたもの。恐らく英国国内におけるアールデコ様式の邸宅としては最高傑作に位置するものだろう。云わば、中世からの伝統建築とアールデコが融合したミステリアスで美しい傑作中の傑作建築だと思っている。
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場所はロンドン市内南東部にある住宅地の一角。
大雑把に言えばグリニッジ天文台の南東約7kmに位置する。
その昔は大自然の中にそびえ立つ豪華で、辺鄙な場所にある宮殿であったことは想像に難くないだろう。

数々のドラマや映画のロケにも使われるエルサム宮殿。
名探偵ポワロシリーズの第52話「ナイルに死す(Death on the Nile)」(2004年BBC放映)の冒頭シーンにも登場した。
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このローマ数字文字盤とデコラティブな針が如何にも英国的なデザインだ。
製作者は”Dan Quare”とあるので、Daniel Quare(1647/49~1724)の時計師に間違いない。
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ビジネスマンであり第一大戦の退役軍人でもある彼の部屋は奥さんとは対照的に控え目で、
英国的なトラディショナルな雰囲気。

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印象的なハンマービーム型の屋根(=英国ゴシック建築の木造トラス)は必見。
納屋から大広間に生まれ変わったこの場所で、どんなパーティーが開催されたのだろう。

映画ハリーポッターでも良く見る様式です。
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傑作中の傑作デザイン。暖炉とドアの紋様に注目。
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(後半へ続く)
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(2024/5/11公開)34827 ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。

私もこういう場所に行ったら、止めどなくシャッターを切ってしまいそうです。
アールデコ調や重厚感のある建物は魅力満載です。
GM1とオリンパスの超広角ズームも最大能力発揮ですね。
M.Zuiko Digital ED 9-18mm F4.0-5.6は先日Ⅱ型にリニューアルしました。旅行時には必須のマイgo-to-lensとして重宝しています。