ヘミングウェイのサイン刻印入りMontBlancのボールペンと共に。
歴代『作家シリーズ』の第一弾は1992年製。
今でも人気不動のヘミングウェイ。
鳥居と同じ朱色の軸には日本らしさを感じてしまう。

【山口淳さんを偲んで】
2013年3月に初版1刷目が発刊された。
当時、中東某国にいたのだが日本から即座に取り寄せた。

愛用品が語る誰も知らなかった文豪。
遺された作品と1万点以上に及ぶ遺品、領収書、写真、
手紙類の吟味から浮かび上がってきた、まったく新しいヘミングウェイ像。

今村楯夫・山口淳共著である。
日本ヘミングウェイ協会の設立者でありアメリカ文学者で東京女子大名誉教授の
今村氏と山口氏のコンビネーションは最強かつ最早二度と存在しないのである。

***

山口淳、この名前を知る人は少なくないだろう。
1960年、兵庫県生まれ。
大学時代から雑誌の編集に携わり、卒業後はファッション誌、旅行誌、
モノ雑誌などで活躍、特に服飾とプロダクト全般に詳しい。
そんな彼が、ひょんなことから『一枚の領収書』の裏にヘミングウェイの
未発表の詩が書かれているニュースを知ることから全てが始まった。

***

この本はまるで、FBIが物的証拠品を集めて、そこからヘミングウェイと言う人物の
知られざる趣味・嗜好・思考・行動パターンをプロファイリングするかのごとく
圧倒的な『実話検証レポート』、のような愉しさがあり、
同時にヘミングウェイの人生の足跡を辿って行く『聖地巡礼記』でもある。
領収書から読み解くヘミングウェイの『買い物人生』を自分自身に投影してみると
数多くの共通点があることで更に興味と親近感が湧いてくる。
豊富な写真と『物的証拠品』の数々の解析に引き込まれた記憶が鮮明に蘇る。

***

その山口淳氏が亡くなって今年、丸10年目を迎える。
御年54歳での夭折が惜しまれてならない。
この場を借りて心よりご冥福をお祈り申し上げます。

(2023/2/13公開)

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2023年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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2 Comments

  1. 鈴木隆浩

    ヘミングウェイもJ.M.Westonのことも、素敵なブログですね。

    1. ゼンマイオヤジ

      コメントを有難う御座います。
      今日もブログの一部加筆・修正を重ねていますが気長にやります。

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