【履き心地は硬いが名靴には間違いない】
もう10年以上愛用しているが、J.M.Weston #641 Golfは名靴だと思う。
全体のデザイン、革質、ソールの3拍子揃った稀有な靴、と言っても良い。
1955年の誕生以来、世界中で愛されているロングセラーの殿堂入りモデルだろう。
その起源をゴルフ場の芝生に持ち、数多くのジャーナリストや報道関係者にも愛用された『ジャーナリスト・シューズ』と言う都市伝説も公然と存在するが、本国フランスでも日本でもジャーナリストでどれほどの愛用者がいるのか疑問だ。一つ確かなことは、その頑丈なラバーソールと、独特な形状のラウンドトゥのU-Tipが場所を選ばぬデザイン上の品格をも兼ね備えている点だろう。
Golfと良く比較されるのが同じくフランス製ParabootのChambordであるが、コチラは革質も価格も共にこなれているので、Golfより愛用者が多いのではないかと想像している。

時計はEngineered Garmentsミリタリーの反転文字盤。
10年以上前にドバイの直営店で購入したのだが、現在の国内価格は税込15万円強というから驚く。

靴本体の色味と若干異なるが、全体にスリム基調でシンプルな1枚革仕様でお願いした。
これも長年愛用したKiltであるが、今はCrockett&Jonesに装着中。
Kilty Tanは元来、砂除けの為のゴルフスポーツ用であるが、街中で履いてもお洒落度が増す。

良く見ると剣先の革が2枚重ねの『ダブルデッカー』となっているのがお分かりだろうか。
靴本体と同色のブラウン・グレインを選択したので色味も同じ。違和感無し。
今や普段の装着が常態化しているお気に入りだ。
蛇足だが、純正靴紐も編み込み式で同色の優れモノ。
【間違いだらけのサイズ選び】
このGolfで一番悩ましいのがサイズ選びである。
理想的な良い靴とは最初から履き心地が良い靴のことを指すのであるが、日本には永遠に我慢を続ける『修行僧』が多すぎるのが心配の種。
#641の革は硬いのでストレッチャー等で改善することも限度がある。
指の当たる箇所を部分的に伸ばすことが精一杯だろう。
足に当たりがあるようであれば即座に善処すべきだ。但し、靴は縦には絶対に伸びない。巷ではJ.M.Weston の靴はキツメの『窮靴』から始める風潮があるようだが、愚の骨頂だ。キツイGolfを履きならすことが『儀式』だと勘違いしてはいけない。何時の日にか自分の足型に合う日を夢見て毎日の痛みを我慢する間に自分の足が壊れてしまう。マメやタコは一度出来たら跡が残るので元の素足には戻れない。最悪、足の骨格障害にもつながりかねないし、その痛みから歩行姿勢が歪められて更に別の健康問題が発生しかねない。
靴のサイズ選択ほど悩ましいことも無いのだが、自分の足型に合わない時は諦めるか、途中リタイアもあり得うべしとの覚悟を持って決して無理をしないことが賢明だろう。
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もう10年以上愛用しているGolfであるが、唯一の欠点はかかと部分(ヒールカップ)が『浅い』こと。恐らく3~5mm程度の差だが、少なくとも自分にとっては浅い。
そして履き口部が少しばかり縦長過ぎること。
多分、フランス人の踵は日本人より小さいのではないかと想像してしまう。
よって僕の場合にはヒールサポートが少々難点ではあるが、それも許容範囲の話。
どんな靴にも完璧はない。

購入当時の写真なので革の色は全体的にまだ明るい。
【ゴルフとの付き合いは自分との体力勝負でもある】
Golfのオールソールには純正オリジナルソールか、英国Harboro Rubber社製のリッジウェイ(Ridgeway)ソールが全体のデザイン上からも一番似合う。他のソールではこのGolfのデザインイメージを阻害してしまう。ソールフェチであろうとなかろうと、ソコ(底)だけは譲れない。靴の愉しみの一つはソール交換にあり、と言っても過言ではないが、Golfに関してはあくまでもコレに限る。
(参考) Harboro Rubber社は英国のゴム成形品に関する総合エラストマーメーカーである。上記のリンク先にある靴用ラバーソール生産以外にも多くの産業界へ特殊ゴム製品を供給している。
同社URL: ゴム成形機英国|特注ゴム成形サービス (harboro.co.uk)
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靴底からゴツゴツと突き上げるような歩行感覚こそがGolfの真骨頂である。この点はRidgewayと双璧のダイナイト(Dainite=Day&Night)ソールの感触とも似ている。
コレが辛いと感じた時は、往年の横綱千代の富士の引退時の台詞ではないが、
『体力の限界、Golfからの引退潮時』、と思うべきであろう。
リソールしてウレタン系のソフトなソールなんぞにしがみつくのは潔くない。
それが、Golfへの礼儀、ではなかろうか。
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(2023/2/11公開) ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。
