【オールドコンデジで撮る今年の桜】
この数年、巷で静かな人気を呼び起こしている「オールドコンデジ」。
今回は13年前に発売された「HIGH SPEED EXILIM EX-ZR400」で久々に撮影してみた。
センサーサイズは1/2.3型CMOS(裏面照射型)、有効画素数が1610万画素あるとは言え、解像度はそれなりだ。しかし、このカメラの最大の武器は、気軽に持ち出せるコンパクトサイズで、スマホや一眼とは異なる表現を味わえることだ。
今までにコンデジは富士フイルムのFINEPIX→LUMIX→OLYMPUS→RICOH R8と使ってきて、最後はこのCASIO ZR100/400シリーズに落ち着いた。当時、広角側24mmを搭載したコンデジが少なかったことと、レスポンスの良さ、「全焦点マクロ」などの撮影表現の多様性から非常に重宝したモデルがこのZR400である。
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そんなZR400のソフトフォーカスで撮影した画像には、ノスタルジックな雰囲気が漂い、緊張感のない、良い意味で弛緩したムードが今の気分に合っていた。
今年も平和記念公園で、年に一度の桜開花の定点観測を行った。
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運河に沿って続く桜並木は、淡い光に溶けるように揺れている。
遠くに滑り込む高速艇の気配が、春の静寂にわずかな緊張を添えた。
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満開の桜の下、運河の横では家族の笑顔が柔らかな輪郭で浮かび上がる。
弁当を囲むひとときに、春の気配が確かに息づいていた。
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歩道脇に連なる桜は、淡い霞の中で規律正しく並ぶ。
柔らかな描写の奥に、春の力強さが静かに張り詰めている。
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望遠で切り取った桜並木は、人の賑わいを抱き込みながらおぼろげに滲む。
圧縮された春の景色が、密やかな熱を帯びて迫ってくる。
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赤一色に染まるチューリップは、隙なく開き切った命の証。
柔光の中でも、その色彩は鋭く視界を貫いた。
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【雨天の花見も乙なもの】
雨天の桜は輝き始める。
晴天も良いが、濡れた路面が鏡となり、濡れた桜は色を増す。
濡れた花びらが路面に張り付き、雨滴が溜まれば花びらを流す。
流れた花びらが排水路に溜まり、小さな桜の堰が出来る。
気温も下がらずに、心地良い雨が、
花見に「色と想像力」を添えてくれるのが楽しい時間となる。
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雨に煙る園内、ビニールかっぱを着用する老夫婦が静かに佇む。
異国の姿もまた、淡い春の小雨の中で確かな輪郭を保っていた。
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28mm相当でこの解像度、被写界深度の深さで、誰でも撮れるのが魅力の源泉。
ソフトフォーカスとは対極のパキパキした画像を作り出す。
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そうでもしないと雨天でここまでのメリハリはつかない。
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桜の色と雨滴との対比を浮き彫りにしてくれた。
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流れた花びらは排水溝に寄り集まり、小さな堰を築く。
フラッシュに浮かぶその一瞬が、儚さと硬質な現実を同時に映し出した。
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人の記憶は必ず薄れる。
薄れた記憶はカメラが救う。
タメラは記憶のタイムマシン。
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【過去の桜の記憶】
2025年4月6日、日曜午後の桜満開はコチラ。
2024年の桜はコチラ。
2023年のX-Pro3で撮る遅咲き桜はコチラ。
2023年のライカM11で撮る夜桜はコチラ。
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(2026/4/8公開)207000 ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。
