【京都の夜は、湿った匂いを含んでいた】
8月16日の夜。
点火を待つあいだ、小雨が道路を濡らし、市内の屋根を軽く叩き、遠くの木々に吸い込まれていった。傘を開く音が一瞬だけ周囲に重なり、やがてまた静けさに戻る。蒸気を帯びた空気の中、蝉の声が途切れ途切れに続き、それを引き継ぐように草むらから虫の細い音がにじみ出しているようであった。
やがて、暗闇の奥にひとつ火が灯り、続いてもうひとつ。
炎が連なるごとに、ホテルの屋上に集まった人々の間から小さなざわめきが起こる。
そのざわめきもすぐに溶け、再び夜の底に沈んでゆく。耳に届くのは遠い車のエンジン音と、風がビルの隙間を抜ける音。そこに、山肌の炎が加わった。燃える火は視覚のものだが、そのはぜる気配は確かに音を伴って届くように思えた。
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くっきりと浮び上る「大文字」は、衹園祭とともに京都の夏をいろどる風物詩でもある。
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【いずれ自分も送り出される側になる】
その火は、ただの光ではなかった。誰かを送り出すための炎であり、いつか自分をも送り出す炎になる。そう気づくと、胸の内でひとつ音が鳴り、すっと落ち着いた。順番を受け入れる音だった。
観光のライトアップのように歓声を上げ、賑やかに眺める姿もある。
それでも、この送り火には祈りの沈黙がある。灯籠流しと同じく、水や炎に宿る音のない祈りだ。遠くの炎を目で追いながら、耳を澄ませる。夜の音と炎の静けさのあいだで、自分の心もまた清められていった。
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しかし、妙の字体が草書体であることに対し、法の字体は隷書体であることからも
この2文字は同時期に作られたものではないことが分かる。
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その由来は諸説あるが、お盆の精霊が冥土へ帰る際に乗る船を模しているという説や、船を漕ぐ姿を模しているという説、唐へ留学していた円仁が帰路、暴風雨に遭った際、布切れ(船板片という説もあり)に南無阿弥陀仏と書いて海中に投じると、たちまち風雨が静まって無事帰国することができたという故事もあるそうだ。
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昔はこれら五山の送り火以外にも「い」、「一」の字や、「竹の先に鈴」、「蛇」、
「長刀(なぎなた)」の形のものが京都では点火されていたが今はなくなっている。
松明が尽きるまでの時間は約30分ほどだが、往時はさぞや華やかな雰囲気を醸し出したことだろう。

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由来は、神仏習合の名残で、鳥居を灯すことで神様を迎え入れる意味があるという説や、
鳥居をくぐって精霊を送るという意味があるという説もあるそうだ。
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【EVF搭載の「LUMIX S9箱型」カメラが欲しい】
送り火は、樹脂を多く含み、火力が強く、着火しやすい赤松が使われる。昨今、各地で山火事の災害も発生しているので、安全性にも万全を期して火床の周囲は草木も刈られて管理されている。しかし、肝心の赤松が長年に亘り病気や森林の手入れ不足、放置により激減しているそうで、現在では植林も含めて持続的な育成にも腐心されていると聞く。
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今回の撮影はIBIS非搭載のLumix GM5で行ったが、夜景を手持ちで撮影するのは流石に難しい。
思えばライカM11、X-Pro3等、ぼくが所有するカメラは全てIBIS非搭載機種だ。日常のスナップ撮影ではなんら不便は感じないが、流石に夜景となると可也厳しい。
こうした場面の為にも強力なIBIS と革新的なズーム機能を持つLUMIX S9のEVF搭載箱型カメラを是非とも出して欲しいものである。
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人の記憶は必ず薄れる。
薄れる記憶は写真が救う。
カメラは記憶のタイムマシン。
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(2025/8/19公開)121430 ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。

京都、大文字の送り火に行かれたんですね。私はまだ見たことがないです。
秋の夜の虫の声など、すごく素敵なブログでした。
S9、物欲アップですね。
超小型のGM5にEVFを搭載した技術があるので、S9にもEVF搭載を期待しています。
PanasonicにはS9の販売テコ入れも兼ねて是非ともEVF搭載の英断を下して頂きたいですね。