“ベーブ・ルースとの邂逅@ノリタケ美術館”

【日本のマイセン~ノリタケ美術館は必見の名古屋観光スポットだ】

国内の観光都市の中でも名古屋の人気が低迷していると言われて久しい。
例えば東京方面から名古屋を目的地として訪問する人よりも、
名古屋を飛ばして京都・大阪方面に向かうケースが圧倒的に多いと聞く。
そんな名古屋での観光名所と言えば、名所旧跡の代表格である名古屋城や熱田神宮、
そして日本の産業集積地の証でもある「トヨタ博物館」が真っ先に挙げられるだろう。
その中でも「ノリタケ美術館」はもっと脚光を浴びるべき観光スポットと考えているので、少々紹介してみることにする。

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トヨタ産業技術記念館」と隣接する「ノリタケの森」の中に「ノリタケ美術館」がある。洋食器で有名な「ノリタケ」は創業者名に由来すると思っている人も多いが、実は創業の地名であり、今でも「名古屋市西区則武新町」としてノリタケ本社が構える場所となる。
この「ノリタケの森」にはノリタケ工場の前身である「日本陶器合名会社」時代の赤レンガ造りの建物(=1904年建造)や陶磁器焼成用の巨大6本煙突などの歴史的モニュメントが残された風情ある場所であり、これらの建造物を見るだけでも訪問する価値があるだろう。

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ノリタケ美術館の1・2階はクラフトセンター(撮影不可)となっており、
ノリタケ陶器類の製造方法を実演も含めて鑑賞できるのが非常に興味深い。
3・4階(撮影可)では「オールドノリタケ」と呼ばれる明治から第二次大戦前後までの歴史的名品が展示されている。その中には、日米野球で来日したベーブ・ルースの肉筆サイン入り絵皿が展示されており、野球好きのみならずともこれを見れば一挙にボルテージが上がるだろう。

以前、ドイツのドレスデン近郊にある「マイセン磁器博物館」(工房と博物館)で感動した記憶が昨日のように蘇った。
名古屋を訪問する機会があれば、是非一度はノリタケ美術館を訪問することをお勧めしたい。

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★ノリタケ美術館の公式HPはこちらをご覧ください。

今回の撮影機材はライカM11 + Voigtlander NOKTON 35mm F1.5asph(以下同様)
ブロードウェイ541番地のモリムラブラザーズ(明治17年~23年/1884-1890年)

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森村財閥6代目市左衛門と弟の豊(とよ)は1876(明治9)年に貿易商社「森村組」を設立し、ニューヨークに輸入雑貨店「モリムラブラザーズ」を開店したのが上写真。


鎖国後の日本から大量に流出した金を取り戻す為に、海外貿易で外貨獲得に乗り出した。
福沢諭吉のアドバイスもあり、そんな国策に意気を感じて本格的な貿易事業に着手した信念と実行力が素晴らしい。

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ノリタケを創立した森村組の幹部達。
前列左より大蔵孫兵衛、森村市左衛門、廣瀬寛榮 

後列左より森村開作、村井保固、大倉和親(=初代社長)

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明治22年(1889)のパリ万博で欧州の陶磁器に魅せられた市左衛門らは、
自ら国産原料で白色磁器生産を行うべくチャレンジを開始する。
そして明治37年(1904)、ノリタケの前身となる「日本陶器合名会社」を設立した。

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【ベーブ・ルースの肉筆サイン入り絵皿がコチラ】

1934(昭和9)年に行われた日米野球に、メジャーリーグ選抜チームの一員として来日した時の記念皿。

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プレートに記されている1934年11月21日は、後に巨人軍のエースとなる沢村栄治(当時17歳)がメジャーの強打者を三振に抑えたことで有名な静岡草薙球場での試合翌日にあたる。
ベーブ・ルースの達筆には驚くばかり。

しかし、ここで疑問に思った点がある。
ベーブ・ルースの肩書に「Manager」とあるが、メジャーリーグでの意味は「監督」となる。果たしてベーブ・ルースは当時監督として来日したのであろうか?
この疑問に対して「ノリタケの森」より後日、以下の回答を頂いたので引用する:

『1934年の日米野球には当時フィラデルフィア・アスレチックスの監督であったコニー・マックがアメリカチームの監督として来日しています。しかし監督とは名目上で、実際にはMLBのコミッショナーの代理人として来日したに過ぎず、実際に監督を務めたのはベーブ・ルースでした。』

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こちらは1956年11月6日、「ブルックリン・ドジャーズ」来訪社記念サイン皿。

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ブルックリン・ドジャーズ選手一行がノリタケ本社工場を見学に訪れた際のサイン皿。
黒人で初めてメジャーリーガーとなったジャッキーロビンソンのサイン(左列中央)とともに、日本のプロ野球誕生や日米の野球交流などの戦前・戦後を通し尽力された鈴木惚太郎氏のサイン(右列下段)も入っている貴重なもの。


ドジャーズは1958年に本拠地をニューヨーク・ブルックリンからロサンジェルスへと移した。そのドジャーズに今年から加わった大谷翔平のサイン絵皿も何時の日にかここに並べて飾って欲しいものである。

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今年で120年を迎えるレンガ造りの建物群。壮観。

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(2024/6/8公開)38645    ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2024年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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2 Comments

  1. 鈴木隆浩

    とても素敵な美術館ですね。物撮りも美しく撮影できていて、歴史的なことも本当に勉強になりました。いつも良いブログ、ありがとうございます。

    1. ゼンマイオヤジ

      名古屋訪問の機会があれば是非見学下さい。

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