“ライカSofort2で撮る日常⑤三原城”

【新幹線が分断する三原城をSofort2でフォトウォーク】

『今年は毎月一本、Sofort2で撮るFOTOLOGを掲載することにしよう』
そんな感じでスタートした5月は「三原城」でフォトウォークしてみた。

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欽ちゃんの台詞ではないが、『なんでこーなるの?』と疑問で一杯になるのが三原城だ。
例えば「姫路城」のように新幹線の車窓から眺める城は風情があるものだ。
名古屋駅から京都方面へ向かう新幹線の右側にある「清須城」も、平成元年に建造された鉄筋コンクリート製の「模擬天守」であるとは言え、名古屋駅を出発して、一瞬だが車窓から見える姿に何故かワクワクするのであります。
福山城なども新幹線ホームの隣にあるのでホーム上からの眺めも感慨深い。

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Sofort2 with Normal/Vivid
上写真の右端に新幹線の高架が、そして中央には三原城の「天守台」が見える。
左側手前の電話BOXが如何にも、のデザインで思わず微笑んでしまう。

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ところが、この三原城では新幹線の三原駅と高架線が「天守台」を真っ二つに分断する形で存在しているのには驚くばかり。そこで湧き出る疑問は2つ。
① 三原城の天守閣(天守)はどうなったのだろうか?
② どうして新幹線の路線が三原城のど真ん中を通過することになったのだろうか?

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Sofort2 with Normal/Vivid

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Sofort2 with Normal/Vivid
北側から天守台と三原駅を眺めたもの。
石垣は隅部から中央にかけて緩やかに凹ませている。裾を引いた扇の勾配の美しい姿が群を抜く。

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Sofort2 with Normal/Vivid

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Sofort2 with Soft Focus/Vivid
石垣の隅石はなだらかな曲線を描き、見た目にも優しい印象を受ける。
ソフトフォーカスで撮るとトイカメラのミニチュアモードのようにも感じられるので、
かなりの「作為的表現」を色濃く感じてしまう。やっぱり素性がチェキですね。
Sofort2 with Normal/Vivid
1802年当時に描かれた三原城の複製レリーフが三原駅に設置されている。
「海城」として天守閣を持たない様子や美しい二重櫓や本丸などが見て取れる。

X-Pro3 + XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
築城当時の三原城の平面絵図も駅舎内に展示されている。
下側は全て海。赤く塗った個所が現在残っているお堀である。
中央の本丸や海に面した南側の二重櫓などは全て取り壊されてしまったのが少々寂しい。

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まず①の疑問についてだが、結論から言えば三原城は築城時期が1567年とされ幕末まで維持された。32の櫓と14の城門を持つ大きな城であったが、もともと天守閣を持たない「平城」であり「海城」でもある。
つまり、一般的に「城」というと「天守閣」を備えたいわゆる「お城」がある場所と連想しがちだが、この三原城には本丸や二の丸はあったが「天守閣」は当初から存在していなかったのだ。今では城壁の土台である「天守台」のみが残っている。そしてかつての本丸跡の真上にはJR在来線と新幹線の駅舎と高架が建設されており、その駅舎の下には「天守台」の石垣の一部が今も保存されている。

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Sofort2 with Color Shift/Vivid
新幹線の高架下から眺めた風景。
色ズレモードも時と場合だが、個人的には好みのエフェクトだ。
上写真の黒いシャドー部分は持ち上げてもデータがない。
つまりダイナミックレンジが極めて狭いと言うことが
極小センサーと
100万画素の悲哀だけど、そんなことを指摘してはいけないのが
チェキのチェキたる所以のSOFORT2である。

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JR三原駅構内から三原城へ直結する通路がある。これには単純に驚くばかり。
このような構造は全国でもここだけだろう。

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X-Pro3 + XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
この場所も三原駅構内になっている。
X-Pro3 + XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ

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往時の三原城を再現したパネルが駅構内にあるが、当時はこのように海に面するのが三原城であり、満潮時には海に浮いているように見えることから「浮城」(うきじろ)とも呼ばれたそうだ。海上から眺めた二重櫓や本丸、二の丸の想像図であるが巨大な海城であったことが推測できる。

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X-Pro3 + XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
駅構内から直結する天守台へ登る階段。

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Sofort2 with Color Shift/Vivid
早速三原城への階段を登ってみると、このような記念碑があった。
これも色ズレで撮影しているが、細かい活字を含む時にはノーマルモードが似合うかもしれない。

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Sofort2 with Soft Focus/Vivid
小早川隆景の銅像は、三原駅西口前の公園内にある。
新緑とソフトフォーカスは相性が合うかも。

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Sofort2 with Color Shift/Vivid

. 三原城跡はこのような平地となっている。
「三原城跡」の看板も草むらに埋もれているのがちょっと悲しい。

Sofort2 with Light Leak/Vivid

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Sofort2 with Normal/Vivid

. 三原城からJRホームを観た光景。丁度、ホーム内には新幹線が見える。

Sofort2 with Color Shift/Vivid

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Sofort2 with Color Shift/Vivid
上写真中央上部には推定復元された「後藤門」の石垣が見える。

お堀には平成29年に三原産の「ブランド錦鯉」が240匹と
頭にハート模様のついた4匹も放流されている。

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次なる疑問点②について。
三原市は北側には山が迫り、南は海に面している為に平地には限りがある。
今でこそ埋め立ても進んではいるものの、明治期に鉄道を敷設する為には天守台を通らざるを得なかったようで、それ以前からも天守台の石垣を建材として港湾建設などにも使われていたようだ。今の三原城(=三原駅)以南は全て埋め立て地である。そうした背景もあるので、既に廃城となった三原城の一部を鉄道敷設の為に取り壊すことに対する抵抗も少なく、時代の移り変わりと開発の為にはやむを得ないという世間の理解醸成も進んでいたことが推測される。

その背景には、江戸時代には全国に170箇所はあったとも言われる「お城」だが、江戸末期から明治にかけての戦乱や明治政府による廃城令による「処分」の波が全国的に押し寄せ、同時に自然災害や第二次世界大戦での戦災などにより多くの城郭が失われたことも「天守閣」を持たない三原城には維持・保存への機運に対するマイナス要因となったのではなかろうか。

そして1894年(明治27年)に三原駅は開業した。

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Sofort2 with Soft Focus/Vivid
JR山陽本線と新幹線が通る三原駅。

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Sofort2 with Normal/Vivid
三原駅舎の真下にもこのような石垣が保存されているのは不思議な光景。
駅の北口と南口を結ぶ一般用の歩道となっている。蔦の若葉が新鮮。

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Sofort2 with Normal/Vivid
推定復元された「後藤門」の石垣の一部。お堀を挟んで天守台の向かい側に配置されている。

Sofort2 with Normal/Vivid
新たに積み上げた後藤門の石垣には、
過去の石垣の修理で保管していた「刻印」のある石垣も再利用してある。

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【参考:三原名物・やっさ踊り】

Sofort2 with Normal/Vivid

三原市のHPから引用すると、『戦国時代に三原を治めた毛利元就 の三男・小早川隆景が、1567 年に 浮城(三原城)を築いた際に城の 完成を祝い、老若男女を問わず三味線や太鼓、笛などを演奏し、祝い酒を飲みながら歌い踊ったのが始まりとされている。「やっさ、やっ さ」という囃子言葉から、「やっさ 踊り」と呼ばれるようになった。』との説明がある。
毎年8月に開催される三原市の一大イベントだそう。

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今回のような駅と一体化したケースは例外にしても、駅に至近な天守台や天守閣が残る場所は他にもあるだろう。筆者は城マニアでもないのだが、日本の城には不思議と惹かれる魅力を感じてしまう。
駅近で至便な城であれば今後とも訪問したいと思っている今日この頃だ。

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(2024/5/25公開)36790     ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。

ゼンマイオヤジ

ゼンマイオヤジ

2024年になっても愛機ラジオミールがゼンマイオヤジを離さない。
でもロレもオメガもセイコーも、フジもライカも好みです。
要は嗜好に合ったデザインであればブランド問わず食いつきます。
『見た目のデザイン第一主義、中身の機械は二の次主義』

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2 Comments

  1. 鈴木隆浩

    Sofort2とても楽しいカメラそうですよね。色合いもキレイです。
    tommyさんは、ちゃんと歴史探訪しててさすがだなって、いつも思います。
    私は旧邸旧家古民家などいったら、説明書きとか、資料を見ないとダメですね。

  2. ゼンマイオヤジ

    今回はX-Pro3の写真と混ぜてありますが、違いは当然ながら明らかです。
    Sofort2は本来、ミニプリントサイズ用なのでこうしてPC画面で見るのは少々酷かも知れません。
    ノーマルで撮ると絵が硬くなる傾向を感じますがそれもSofort2の味だと思っています。

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