2023年10月某日。
『珠玉の写真集2冊』で紹介した白洲次郎・正子旧宅を訪問した。
先月の上記FOTOLOGでも述べたが、実際に旧白洲邸をこの眼で確認したい欲求に駆られていたところ、早速訪問する機会を得たのは幸運であった。
小田急線鶴川駅から徒歩15分足らず。
快晴の初秋に散策がてら「武相荘」を見学して来たのだが、白洲次郎について一層の親近感を覚える感覚にとらわれた。
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「武相荘」とは公式説明によれば、『武蔵と相模の境にあるこの地に因んで、また彼独特の一捻りしたいという気持から無愛想をかけて名づけた』というのが命名理由だ。正にこれしかない名称だろう。築後100年以上の歴史を持つ養蚕農家の歴史ある風情と広い庭でのひと時は、白洲夫妻を偲ぶ場所としてのみならず、明治大正昭和の歴史を生き抜いた旧家、と言えば大袈裟だが、そんな空間でゆったりと過ごす時間は自分の好奇心も満たされる心休まるものであった。
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白洲次郎の愛用品として、以下の逸品の現物を視認できたことはモノ好きな筆者としてはこの上ない土産となった:
・カルティエのBallpoint Pen
・JLC(イエガールコルトン)のプラチナ若しくはホワイトゴールド製と思しき薄型懐中時計(特注のイニシャルプレート付き)
・18金のトノー型風・六角形の腕時計は父親・文平から受け継いだもの
・dunhillとDupont製のライター
・オリベッティのタイプライター
・妻正子の掘り炬燵式の机上にある細軸黒色タイプのモンブラン万年筆、等々。
※デイトなしの「ROLEX黒金Oyster Perpetual」の写真展示はあったが、実物展示がなかったのは腕時計愛好家としては何とも惜しい限りだ。以前(10年以上前)には展示されていたそうなので、是非とも、実物の追加展示をお願いしたい。
室内展示品の撮影は禁止の為、画像で紹介できないのが残念だが、確りと自分の脳内メモリーには記録して来た。愛用の着物や陶器・焼き物の数々や書棚に並んだ白洲夫妻の愛読書も大変興味深いものがある。
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今回の撮影機材は全てライカM11+現行ズミクロン35mmf/2.0ASPH.
白洲次郎が愛用したライカⅡ型(DⅡ)オマージュで、最新機種ながらライカM11で撮影した。
今では武相荘の庭でも紅葉が始まっていることだろう。

恐らくレンズもこの写真と同型のエルマー50mmを使ったものと想像する。
1930年代当時は『ライカ1台、家一軒』と言われた時代である。
白洲家の地位と財力が桁違いであったことがこの点からも垣間見える。
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我々が今日まで平和な日々を送れたのも先人たちの“Hard days”があったからである。
自分は次世代の為に少しでも“Hard days”を過ごしたであろうか。
ふと、そんなことを考えてしまう。
願わくば春夏秋冬で訪問したい「武相荘」である。
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右端の白洲の立ち位置と行動に彼の信念である’PINCIPALE’と在野精神を感じる。
首相と一緒に帰国したと仮定して、凡人にはこんな行動がとれないだろう。
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人の記憶は必ず薄れる。
薄れる記憶は写真が救う。
カメラは記憶のタイムマシン。
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(2023/10/25公開)11067 ※ブログ内容は適宜、加筆修正しています。

さすがTommyさん、歴史も深く追求されてますねぇ。旧白州次郎邸って知らなかったです。
調べてみると、行けなくはない距離なので、行ってみようと思ってます。
そういうことろ、好きなんです。
カルチェやロレックスのほか話も興味深かったし、ライカの実物もすごいですね。
車も写真をいっぱい撮ってみたくなりました。素敵なところのご紹介、嬉しいです。
写真のバルナックライカ(DII)はライカ銀座店のものです。是非銀座で実物をご覧ください。